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 9000系車両について
9000系

2009年1月現在、22編成132両在籍
試作車:1991年1本4両
1次車:1991〜1992年7本28両
2次車:1995〜1996年5本30両、増結用16両
3次車:1997年2本12両
4次車:1999〜2000年6本36両
5次車:2009年2本12両

ハイテク満載の南北線9000系

運転台
9000系の運転台
s17ile
異常時用の案内表示

 南北線で運行されるのは、9000系と呼ばれる車両。この車両は、1991年11月29日の南北線開業に合わせて新たに設計されたもので、南北線の特徴であるATO(列車自動運転装置)、ホームドア、ワンマン運転に対応した、最新のシステムを搭載している。
 右写真(上)は9000系の運転台で、ワンハンドルマスコンを採用。これは東急など乗り入れ先に合わせた仕様となっている。ATOによる自動運転を行なうため、ドア扱いボタン、発車ボタン、非常ボタンなどが所狭しと並べられており、右側には運転支援装置(TIS)のモニターが組み込まれている。

 TISは車両の検査等の際には、この画面の指示に従って作業を進めることができるなど、効率的な業務を行なう為の画面が表示できるほか、東急との乗り入れに対応した車両には、行先設定器や車内放送・案内表示の設定などの機能も含まれている。ワンマン運転のため、異常時などに運転士の業務を妨げず、乗客に的確な情報を提供するため、車内表示と放送の例文が数多く用意されているのも特徴のひとつ。右写真(下)は、そういった例文のひとつを表示した状態である。一例をあげると、「窓ガラスが割れた」「急病人が発生した」「傘の忘れ物に注意」「徐行運転中」「他の列車が故障した」など、非常にバラエティに富んでいる。

 9000系は1991年から2009年にかけ長期にわたって製造されたため、導入時期によって性能、設備等が異なっている。そのため、現在の01F・03F・05F・07FはA編成、02F・04F・06F・08FはB編成、09F〜15FはC編成、16F〜21FはD編成と呼称されている。2009年に導入された22F・23FはE編成になるとみられる。


試作車(先行量産車)(9101Fの一部:川崎重工製)

9101車内
試作車9101 床・手摺の色が異なる
(写真はモケット張替え後のもの)
9101帯
試作車の帯は量産車と異なる
左が試作車、右が量産車

 営団地下鉄初のATO(自動列車運転装置)を使用する南北線用に開発された、 9000系車両のトップバッター。VVVFインバーター制御も、 この車両が営団地下鉄では初の本格採用となった。車体はアルミニウム合金製。
 南北線の駒込−赤羽岩淵間では、ホームドアを採用したため、 ホームドアと連動したドア開閉装置をもつなど、先進の機能が詰まっている。この9000系は、 暫定4両での開業となったため4両編成で登場したが、最大8両として設計されている。

 車内は4両全てを異なったデザインで製作した。座席は赤系統2種と橙系統2種の計4種類とし、 床敷物も青系統2種と茶系統2種の計4種類を試作した。また手摺にはベージュ色の塗装を施し、 網棚にアクリル製の板を採用しているほか、窓枠にFRPを採用するなど、 試作的要素が強い編成となっている。各車の車端部にはクロスシートを2箇所 (先頭車と車椅子スペース設置車は1箇所)設置し、サービス向上を図った。 当面は地上には出ないため、カーテンは準備工事となっている。

 先頭部の行先表示器は電動幕で、 側面方向幕はホームドアがあるために視認性が悪く設置されず、準備工事のみなっている。 車内の案内装置は自動放送および扉上の2段表示式LEDを1両に8台設置している。 このLED装置はワンマン運転用に多機能となっており、非常時等の案内文を予め組み込んであり、 乗務員の簡単な操作によって各種の事態に対応できるようになっている。 運転席には運転支援装置(橙色の単色モニター)が設置されている。

 制御方式はGTO素子による4個モーター制御×2群方式で、主電動機は三相誘導電動機、 1時間定格出力190kW。ブレーキシステムは電気指令式電空併用ブレーキで回生つき、 遅れ込め方式、保安ブレーキつきとなっている。台車はS形ミンデン式ボルスタレス台車。 これにより加速度3.3m/h/s、 減速度3.5km/h/s(非常4.5)、最高速度110km/hとしている。
 この編成は1991年2月に営団綾瀬工場に搬入して千代田線で試運転等を行なった後、 環七通りから国道122号線を経由して、南北線王子検車区に陸送された。

1次車 (9101F〜9108Fの一部:川崎重工製)

クロスシート
1次車の車端部クロスシート

 試作車での実績をもとに、1991年11月29日の駒込− 赤羽岩淵間開業にあわせ投入されたのが1次車であるが、 このうち9108F(4両)は翌年追加投入されたもの。

 基本的には試作車と同一のシステム(VVVF制御には2種類のものが存在する)、 アコモデーションであるが、外観上は運転席側面部の飾り帯の形状が若干変更されている。 車内の変更点としては、手摺の塗装をやめてステンレス地のままとしたほか、 網棚をアクリル板から金網に変更した。また、クロスシート部の肘掛の材質を変更 (皮革→樹脂)している。 1次車で各車両ごとにデザインを変えて比較したものの中から、 9103車両のデザインをベースにしたものを正式に採用し、座席モケットは紫色、 床敷物は薄紫のものとなった。

2次車 (9109F〜9113F、9102F・9104F・9106F・9108Fの一部:川崎重工製)

9313車内
9013Fの室内

 1996年3月の四ツ谷−駒込間開業に合わせて増備されたものが2次車で、 アコモデーションを中心にやや大きな変更が加えられている。
 1次車からの変更点は、外観上は先頭部の行先表示器がLEDになったほかは変更点はないが、 VVVFインバータの制御素子がIBGTによる2個モーター×4群方式となり、 騒音低減と粘着性の向上が図られている。台車はモノリンク式ボルスタレス台車に変更された。 また、床面高さが5mm下げられ、乗降性の向上が図られた。 このほか、運転台の運転支援装置(モニター)がカラー液晶化された。

 車内のアコモデーションはやや大かがりな変更が行われた。 車椅子での車両間の通り抜けを可能にするため、貫通路の幅を広げ、 この影響で車端部のクロスシートを廃止、一般的なロングシートとなった。
 また、座席の幅がひとり当り44cmから45cmに拡大されたほか、 そで仕切りが丸みを帯びたものに変更されている。窓枠は1次車で試行されたFRPをやめ、 一般的なアルミサッシとしている。座席下のカバーは1次車までは茶色であったが、 2次車では無塗装となっている。

 編成面では、延長開業に合わせて4両編成から6両編成への編成増強が行なわれたため、 この2次車は6両編成で投入されたほか、試作車と1次車に組み込むMM'ユニット8組16両が投入された。 したがって2次車は合計46両となり、現在でも9000系の最大勢力である。

3次車 (9114F〜9115F:東急車輛製)

 1997年9月30日の溜池山王−四ツ谷間開業に合わせて投入された編成で、 基本設計は2次車とほぼ同じ。

4次車 (9116F〜9121F:日本車輌製)

9217車内
9017Fの室内

 2000年9月の全線開通を前に投入された車両。外観上の変更点はないが、 車体の溶接部分にFSW(摩擦攪拌接合)の技術を用いており、従来車よりも平滑な溶接面となっている。 VVVF制御素子は2次車と同じIGBTであるが、一部仕様の異なったものである。 全線開業と同時に地上路線の東急目蒲線、東横線に乗り入れるため、 側面の行先表示器もLEDで設置され、車内のカーテンも設置済みの状態で登場した。 案内放送の設定器は、モニター内での設定に変更された。この関係で、 従来車では運転席の背面に設置されていた自動放送装置は非設置となっている。

 車内のデザインも変更されており、床のデザイン、座席モケットの形状が若干変わったほか、 座席は片持ち式、そで仕切りも大型のものとなっている。

5次車 (9122F〜9123F:日本車輌製)

9822
5次車※撮影:ARC aiLAND
9822-9722
車端部の様子
9822-9722
5次車のインテリア
9822-9722
ドア上のLCDと路線図

 2008年度の東京メトロ事業計画により、南北線の輸送力増強を目的として製造された編成で、2009年に6両編成2本、計12両が導入された。このグループは、前回の4次車の増備から9年近くが経過しての導入となったため、その間に登場した10000系(有楽町線・副都心線)などで実績のある新しい技術を取り入れている。また、外観上も大幅なマイナーチェンジが施され、1〜4次車ではエクステリアの変更がごくわずかに留められていたのと対照的に、全く異なる形式のようにさえ見える。

 具体的には、運転台の配置を基本的に従来車とあわせるため、前面のパノラミックウインドウの構成は変えずに、それより下の部分を意匠変更することで斬新さを表現した。また、車体に巻かれたラインカラーの帯は、窓上部にも配置されたほか、下部の帯のデザインは、従来車とは逆(上が太く、下が細い)になっていて、特に側面部では、上が濃い色、下が薄い色と、色の配置も逆転している。この帯の、先頭部と側面部とのつなぎの部分は、複雑な曲線で構成されており、また車端部にはドットパターンが用いられて、デザイン上のアクセントとなっている。
 車内では、各扉の上部に、15インチのLCD(液晶)モニターが設置された。各部材が改良され材質が変わったほか、座席部分には手すりが付き、そで仕切りの形状も変更され、エッジ部分にはブラックのアクセントが取り入れられた。なお、シート表皮の図柄については、従来の9000系と変わりがない。
 ちなみに、車端部の荷棚、吊り革が低くなるなど、最新のユニバーサルデザインも取り入れられている。

 編成としては、従来の4M2Tから3M3Tとなり、形式としてはM2'の9300形が外れ、新形式のT車9400形が連結された。車体はセミダブルスキン構体で、客室窓やドア窓の構造も10000系に準じたものとなっているが、車端部は10000系と異なり、斜めにカットされていないスクエアな形状である。
 パンタグラフは9000系初のシングルアーム形で、9200形に1基、9600形に2基搭載している。台車は、10000系に類似したボルスタアンカー付きで、従来のボルスタレス台車とは大幅に異なっている。先頭部には、9000系としては初めて排障器(スカート)が設置されている。

 このほか、ドアチャイムが10000系などと同じタイプ(「ピンポーン」が3回繰り返されるもの)となり、扉上部にはこちらも10000系と同じく、扉の開閉時に赤ランプが点滅する仕組みが取り入れられている。LCDは1台のみのため、東京メトロの広告などは駅間走行中に案内表示エリアに表示されるようになっている。
 なお、車内端部に表示されるメーカー銘板と車両番号は、従来車ではプラスチックプレートをビス留めしていたが、5次車では昨今のスタンダードといえる、シールの貼付となっている。

改番について

旧車番現車番旧編成現編成
920296019102F(2号車)9101F(4号車)
930297019102F(3号車)9101F(5号車)
920496039104F(2号車)9103F(4号車)
930497039104F(3号車)9103F(5号車)
920696059106F(2号車)9105F(4号車)
930697059106F(3号車)9105F(5号車)
920896079108F(2号車)9107F(4号車)
930897079108F(3号車)9107F(5号車)

 第一期開業時に4両編成だった南北線は、第二期開業時に6両編成に増強された。 この時増備された2次車は1次車と異なる制御装置を搭載しているため、 増結用のMM'ユニットをそのまま1次車に組み込むことは好ましくない。 そこで、1次車の偶数編成のMM'ユニットを抜き取って奇数編成に組み込み、 余った1次車の先頭車の間に、増備したMM'ユニット2組を組み込む措置を取った。また、 組換え車の一部は、車椅子スペースの位置にズレが生じてしまったため、 車椅子スペースの位置を変更する改造が行われた。とくに試作車である9201車両の場合、 座席を撤去して車椅子スペースとなった部分の床に、量産車の紫色のものが使われたため、 従来の茶色部分との不釣合いが目立っている。

 なお、改造により1次車の一部車両は番号が変わっている。右に、改番された車両の一覧を示す。

改造について

設定器(旧型)
従来の案内設定器。運転席背面にあったが、改造後は使用停止されている。
新柄
左はモケット張替車の一部でのみ見られる新柄の優先席。右は従来柄。

 試作車と1次車(9101F〜9108F)は、当初、運転室内にある運転支援装置(TIS)のモニターが単色モニターだったが、2次車が導入されたさい、2次車と同様のカラー液晶モニターに取り替えられている。

 また、これらの車両では、当初は先頭部の行先表示器が幕式であり、側面行先表示器は準備工事、カーテンも準備工事となっていたが、2000年9月26日の東急乗り入れにあわせ、改造が行なわれた。改造の内容は、運転支援装置(TIS)のプログラム交換とそれに伴う案内設定器の廃止、ホーム監視用モニターの設置、前面遮光フィルムの貼付、側面行先表示器(LED)の設置、先頭行先表示器、運行番号表示器のLED化、車内窓枠のFRPをアルミに取り替えた上、カーテンの取り付けが実施されている。

 2次車と3次車(9109F〜9115F)は、先頭行先表示器はもともとLEDであったが、側面行先表示器が準備工事だったため、これを設置したほか、準備工事となっていたカーテンの設置、運転支援装置(TIS)のプログラム交換とそれに伴う案内設定器の廃止、 ホーム監視用モニターの設置、前面遮光フィルムの貼付が実施されている。

シートモケット、床敷物の張替え

 試作車と1次車(9101F〜9108Fの一部車両)では、2001年頃より順次、経年劣化が目立ってきたシートモケット(座席表皮)の交換が行われた。このうち、後期に交換された9102F、9105Fの優先席のシートモケットの柄は、従来のものと異なったものに取り替えられた。他の路線の車両で採用されたものにあわせられた模様。また、床敷物もグレー系のものに交換される車両が登場している。

転落防止幌装備編成

転落防止幌
9121Fの転落防止幌

 9000系は原則としてホームドアの設置されている区間でしか営業運転を行わない(臨時ホームの浦和美園駅3番線を除く)ため転落防止幌は設置されていないが、9120Fおよび9121Fには転落防止幌が設置されており、東京湾華火大会開催時の新木場行き臨時列車などには、これらの編成が運用されている。

行先表示設定器リスト(全線開業時)

営団線東急線埼玉線
赤羽岩淵麻布十番大 岡 山鳩 ヶ 谷
王子神谷白金高輪奥 沢東 川 口
駒 込目 黒武蔵小杉浦和美園
市 ヶ 谷 元 住 吉
溜池山王 日 吉

▼4両編成時(赤羽岩淵〜駒込間開業)

▼6両編成時(四ツ谷開業の直前〜現在)

▼5次車


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