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 延伸線とは?

 平成12年、運輸政策審議会第18号答申で、東京7号線は浦和美園より岩槻を経て蓮田まで、 平成27年までに延伸することが適当とされた。これを受けて埼玉県は計画を具体化させ、 まず岩槻までを「先行整備区間区間」(延伸線)との位置づけを行い、戦略的環境影響評価および基本調査を行った。
 その後、埼玉県およびさいたま市では、数度にわたって検討委員会を設置し、延伸の是非や具体的な計画案の検討を行ってきた。現在は、最終的な答申を行うため、「地下鉄7号線延伸検討委員会」を設置し、検討を行っているところである。
 このページでは、延伸線の計画の現在の状況と、その具体的な計画内容についてお届けしていきたい。

 想定ルートおよび駅
ルート

 浦和美園〜蓮田間(以下「答申区間」)の延長は12.5km、このうち浦和美園〜岩槻間の先行整備区間 (以下「延伸線」)の延長は7.2kmである。
 答申区間の輸送人員は69.6千人/日、輸送密度は38.1千人/日、建設費は1,590億円。 延伸線の輸送人員は44.3千人/日、輸送密度は34.3千人/日、建設費は770億円である。
 浦和美園〜岩槻間に設けられる「第1駅」、岩槻〜蓮田間に設けられる「第3駅」の計2駅は高架構造、 東武野田線と交差する「岩槻駅」、JR東北本線(宇都宮線)と接続する「蓮田駅」は地下構造となる。
 延伸線の設計最高速度は110km/h(既存区間は同100km/h、営業最高速度80km/h〜90km/h)、 曲線半径は1,200m以上を基本、最小曲線半径は400mとして、速達性を考慮している。 これは、競合相手となるJR宇都宮線や京浜東北線、東武伊勢崎線などの状況を考慮したものである。

 浦和美園〜岩槻・蓮田間の具体的な経路地については未公表であるものの、埼玉県鉄道新線整備検討調査、 延伸線基本計画調査および戦略的環境影響評価の各報告結果から、検討された3つのルート(詳細省略)のうち、 主に台地部を通過するルートが採用される可能性が高く、これを基に新駅の位置を概ね推測することができる。

第1駅:地図→【想定される駅位置】
 さいたま市岩槻区浮谷の目白大学の北側付近で、 昔の武州鉄道「浮谷」駅が存在した場所(武州鉄道の項を参照)。
 目白大学の学生による定期利用が期待できるほか、周辺の開発余地も大きく、将来の利用増も見込めるが、周辺開発は具体化されていない。
 なお、これまでの検討で、相対式2面2線の構造とすることが検討されている。
(想定される駅名…「浮谷」「目白大学前」「和土」「南岩槻」など)

第3駅:地図→【想定される駅位置】
 岩槻街道の旧道(国道122号線)と東北自動車道・国道122号線(バイパス)が交差する「平林寺橋」付近。
 また、現在入居が進んでいるが、宇都宮線東大宮駅からバスでのアクセスが必要な公団団地「アーバンみらい東大宮」に近く、同団地の主要な交通アクセスとしての利用が見込まれる。
(想定される駅名…「平林寺」「馬込」「アーバンみらい東大宮」など)

 このほか、埼玉スタジアム2002付近に「スタジアム駅(仮)」が設置される。同駅は臨時駅として運用され、2011年の検討委員会では、折り返し運転可能な2面3線の構造とすることが検討されている。

配線図1
浦和美園駅は臨時ホームを改造し2面3線化。中間駅は相対式、岩槻駅は島式ホームとなる。
配線図2
車両基地を渡る歩道橋(カメラ地点)の北側から高架が立ち上がる。留置線も4線増設される。


 東武野田線岩槻駅との接続

岩槻駅部  延伸線は岩槻駅で東武野田線と接続する。駅の位置については、岩槻駅東口地下案、東武線直下案、岩槻駅西口地下案の3案が検討されてきた。いずれの場合もコンコースを地下1階、ホーム階を地下2階とする。
 東側案は、既存の住宅密集地に近いため利便性が高いこと、東武線手前で工事が完結するため交差支障がないことが挙げられるが、反面、駅設置部の地上の道路幅員が狭く(18m)、工事用地を確保するのが困難で、工期も長くなりコストがかかる。
 直下案は、東武野田線との乗り換え利便性が高く、大宮駅の混雑緩和など効果は大きいが、既存の鉄道線直下での工事となるため工事の難易度が高くなり、工期が長く、またコスト高になる。
 西側案は、市街化がまだ進んでいない地域にあたるため、工事スペースの確保が容易で、地上部の道路幅員も24mと広い。また東武線直下部はシールドで施工するため支障は小さい。工期が短く、コストも安い。
 2003年(平成15年)の検討委員会では、野田線との乗り換え利便性を優先し、直下案を妥当とする提言がなされたが、2011年(平成23年)の検討委員会では、東武鉄道岩槻駅の橋上駅舎化などの要素やコスト面から、東口地下案を基本とすることになった。この新案では、駅の位置は東口であるが、連絡改札口を設置し、野田線ホームから直接地下ホームへの乗り換えを可能としている。

 東武野田線との直通運転案

岩槻駅部  2005年(平成17年)9月1日に設置された「埼玉高速鉄道延伸検討委員会」において、岩槻駅における東武野田線との直通運転が検討された。岩槻駅の用地として、東武野田線の岩槻駅を活用することで、延伸費用の低減と直通運転による利用者の増加を見込んでいた。直通方向については大宮・春日部の両方を検討。将来の蓮田方面への延伸についても考慮した設計をするとした。
 東武野田線岩槻駅は現行の2面3線を2面4線とし、埼玉スタジアムで試合が行われる場合の、臨時運行への対応も出来るよう配慮。東武野田線の現在の輸送力に影響を及ぼさないことを前提とした。
 東武野田線岩槻駅に乗り入れる場合、従来案では直線的に岩槻駅に向かっていたものを、カーブさせながら東武野田線の岩槻駅に乗り入れるため、春日部方面との直通の場合で約0.7km、所要時間で50秒、大宮方面との直通の場合で1.2km、所要時間で80秒の伸びとなるとした。
 その後、直通案は具体化せず、2011年の検討委員会では議題にも上っていない。


 快速運転と鳩ヶ谷駅への待避線設置案

鳩ヶ谷駅  快速運転の必要性は再三取り上げられている。これまでの検討結果により、延伸線〜埼玉高速鉄道線〜南北線ルートと、競合他路線(JR線、東武伊勢崎線)との比較において、運賃、所要時間ともに劣るデータが次々と提示されており、岩槻駅まで延伸しても誰もこのルートを選択しないのではないかという懸念がある。
 そこで、これまでの検討委員会では、鳩ヶ谷駅に待避線を建設し、同駅で快速が各駅停車を追い越すことを提案。鳩ヶ谷駅の上り線側にホーム1面を設置し、中線式の2面3線に改築するもので、改築費を150〜180億円と見積もっている。しかし、多額の工事費に対して利用者がどれだけ増加するのか明確ではない点が疑問視され、今後感度分析を行うこととするにとどまっている。また、待避設備を設けず、追い越しのない快速や、千鳥運転も検討されているが、現行路線を運営する埼玉高速鉄道、東京地下鉄ともに積極的ではないようだ。


 このページは、「運輸政策審議会第18号答申」「埼玉県鉄道新線整備検討調査」 「地下鉄7号線延伸計画(浦和美園〜岩槻)に係る戦略的環境影響評価」「地下鉄7号線延伸線基本計画調査」 「運輸政策審議会第19号答申」「埼玉高速鉄道延伸検討委員会」「地下鉄7号線延伸検討委員会」の各資料を参考に、ARC Network独自の調査および見解を加味して制作しています。
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